ステンドグラスをオーダーメイドする場合の価格相場

オーダーメイドステンドグラスは、オーダーメイドにしか持ち得ない魅力があります。
ガラス一枚一枚が職人による手作りで、非常に高い技術を要する価値のあるハンドメイドガラスです。

その魅力の一つに、工場の機械作業ではなく手作業による「ガラスの厚みの不均一さ」があります。
極端な例で言えば、一枚のガラス内に厚みが2mmの箇所もあれば5mmの箇所もあるのです。
「不均一」と聞くともしかすると聞こえが良くないかもしれませんが、この「不均一さ」こそがそのガラスにしか持たない「光の屈折」を生み、量産ガラスでは出せない魅力と深みを醸し出すのです。

このオーダーメイドステンドグラスですが、どのようなデザインにするか、材料に何を使うか、どれくらいの大きさか、作業はどれくらい複雑かなど、様々な要因によって価格が決定します。
ですので一概に「〇〇円程度です」とは言えないのがステンドグラスのオーダーメイドなのです。

しかし、それではこのページをお読みいただいている方の参考にならないと思います。
ですので、数あるステンドグラス業者のサイトをチェックし、実際に問い合わせを行い、オーダーメイド品の価格の平均価格を割り出してみました。
ステンドグラスをオーダーメイドで依頼する場合、およそ、

0.5㎡ / 15万円〜50万円（打ち合わせ、デザイン料込み）
1㎡ / 20万円〜100万円（打ち合わせ、デザイン料込み）

となります。
やはり「安いもの」といってもオーダーメイドステンドグラスは高額、そして価値の高いものは本当に高額になるといった印象ですね。

しかし先程もお伝えした通り、最終的な価格は様々な要因によって決定するので、まずはステンドグラス業者に問い合わせてみるのが良いでしょう。

また、上記はあくまで制作にかかる費用となります。
実際の費用として、業者にもよりますがこれ以外にも、

・搬入、取付費用（作品の1割程度が相場）
・額縁を別途制作する場合はその制作費用
・レールで釣り下げる場合などは、金物の費用費用（およそ1万円程度）

が発生します。
さらに、特殊な施工・加工が必要な場合や、短い納期で依頼した場合などは別途費用が掛かる場合があるので注意しましょう。

やはりステンドグラスのオーダーメイドは、出来合いのステンドグラスを購入するより高額であるのがお分かりいただけたかと思います。
その価格の内訳はどうなっているのでしょう？

オーダーメイド品の価格の内訳は、その７割程度が作業料です。
ですので、シンプルなデザインより複雑なデザインになればなる程、高度な技術が必要になればなる程、価格は高額になります。
具体的な作業内容として、型紙の制作、ガラスカット、研磨作業、組み上げ、ハンダ付け、クリーニング、そして仕上げ作業などです。

では、作業料以外の内訳を見ていきましょう。

デザイン料

パソコンソフト、もしくは手書きでステンドグラスのデザインを制作していきます。
この時点でステンドグラスの色や線、そして使用するガラスなど材料も決めていきます。
仕上がりのほとんどがこのデザインとどのガラスを選ぶかで決定するので、非常に重要な作業です。

材料費

ステンドグラスには、ガラス以外にもケイムやハンダなど、様々な材料が使われています。
中でも、ガラスは大きさに対しての価格に非常に大きな開きがあります。
機械で作られた安価なもので30cm角が1.000円前後、職人の手作りで30cm角が1万円程度になります。

ステンドグラスの大きさ

当然と言えば当然ですが、大きさが大きくなればなる程、必要となる材料費が高くなるので高額になります。

ピースの数

ステンドグラスの区切られたガラスの一片ずつを「ピース」と言います。
このピースの数が増えると、作業量が増えるため作業料が増えます。

ピースの形状

ステンドグラスを制作する工程でガラスをカットしますが、ガラスを直線でカットするのは容易です。
しかし、曲線をカットするのは技術が必要となり、組み上げも複雑になります。
そのため、ピースの形状が複雑になればなる程、作業料が上がります。

ガラスの在庫の有無

上記の材料費にも繋がる項目ですが、使用するガラスの在庫の有無も価格に影響があります。
機械製の安価なガラスであれば大量に製造されているので取り寄せることが容易ですが、職人が作った数量が少ないガラスを使いたい場合は、探すことが困難であり、見つかったとしても高額な場合が多いです。

その他費用

お客様との打ち合わせや取り付け作業費にも費用が発生する場合があります。